無料の着付け教室はどこまで教えてもらえるの?
「着付けを習いたい」と思って教室を探したとき、よく目にするのが無料の着付け教室です。無料で受講できるのはうれしいポイントですが、気になるのが「どこまで教えてもらえるのか」ではないでしょうか。今回は無料の着付け教室でどの程度まで教えてもらえるのかについて、無料の着付け教室が合う人・合わない人のタイプと一緒に紹介します。
そもそもなぜ無料で通えるのか
無料で着付けを教えてもらえるのはありがたい反面、いったいなぜ無料で教室を開催できるのでしょうか?教室の運営には人件費や場所代、光熱費などの費用がかかるはずです。たくさんの経費がかかる中でも無料で開催すると、普通に考えて赤字になってしまうでしょう。無料で開催できている主な理由が、教室の事業内容です。ホームページなどで事業内容を細かくチェックしてみると販売促進代理業や着物販売仲介業、着物および関連商品の販売などと記されているかもしれません。
つまり、着物を販売している事業者と消費者となる生徒をつないだり、教室自体が着物の販売に携わっていたりするということです。無料の着付け教室ではカリキュラムの中に親睦会や産地見学会、販売会などが組まれていることがあります。強引に着物の購入をすすめられるようなことはありませんが、着物の購入代金が教室運営の費用をカバーしているのも事実です。
着物教室は無料でどこまで習えるのか
着物の購入をすすめられた際、断っても問題はありません。そのため、できるだけリーズナブルに着付けを学びたいと思っている人にとっては、無料の教室は大きなメリットとなるでしょう。しかし、どの程度まで着付けを教えてもらえるのでしょうか?いくら無料でも内容が薄かったり、中途半端だったりすると、受講する時間と手間が無駄になってしまいます。
具体的なカリキュラムは教室によって異なるものの、一般的には着付けに必要な知識を一通り学べるでしょう。たとえば、テレビCMでも放映されている日本和装では、無料着付け教室を開催しています。少人数制のため一人ひとりに合わせた、丁寧なレッスンが特徴です。以下のような全6回の受講を通して、15分ほどで着付けられるようになります。
①補整と長襦袢の着方
②きもの(おしゃれ着)の着方
③袋帯の結び方1&懇親会
④帯のTPO講座&販売会
⑤袋帯の結び方2
⑥総復習
ほかの無料着付け教室でも着物を自分で着て、帯を結べるようにまで達成はできます。ただし、できるだけ早く、そしてきれいに着こなすためには練習が欠かせません。無料教室で技術を一通り学んだ後は、ひたすら自分で練習することが大切です。また、最近はYouTubeやTwitterなどに、着付けの方法を紹介している動画がアップされているので、分からないところを自分で確認できます。
無料の着物教室は合う人・合わない人がいる
無料の着付け教室には合う人と、合わない人がいます。最後にそれぞれのタイプの詳細を見ていきましょう。
合う人①
着物購入をすすめられても断れる人
先で述べたように、無料の着付け教室の主な運営費は、産地見学会や販売会などで購入をすすめられる着物の代金です。そのため、教室としては生徒にできるだけ、着物を買ってもらいたいと思っているのが実際のところといえます。以前は「無料の着付け教室=強引に着物を買わされる」といったイメージがありましたが、最近は改善されてきています。とはいっても「はっきりと断れずに、欲しくなかった着物を購入してしまった」というケースもあるので、購入をすすめられても、しっかりと断れる強い意思表示ができる人が向いているといえるでしょう。
合う人②
自分に合った着物を購入したい人
着付けを勉強するのと同時に、自分に合った着物を購入したいと思っている人にも適しています。産地見学会や販売会などでさまざまな種類の着物に触れ、アドバイスを受けながら自分にピッタリな1着を購入できるはずです。
合わない人
着物購入をすすめられて断る自信がない人
着物の購入をすすめられた際、断る自信がない人は向いていないかもしれません。また、あらかじめ断る自信があっても、人によっては販売会独特の空気で、購入する気持ちになってしまうこともあるでしょう。きらびやかで美しい新品の着物を目にして、自分の体に当てられながら「とても似合っていますよ」などと声をかけられると、気持ちが高揚してつい買う気になってしまうかもしれません。
まとめ
無料の着付け教室は事業内容を販売促進代理業や着物販売仲介業、着物および関連商品の販売としていることが多く、着物の販売や販売仲介によって運営資金を確保しています。そのため、カリキュラムの中に販売会や産地見学会などが盛り込まれており、着物の販売をすすめられるでしょう。ただし、必要ない場合は無理に購入する必要はありません。また、有料の着付け教室だからといって、着物の販売をすすめられないとは限りません。有料と無料、どちらにも共通するのは、あらかじめ教室の特徴やカリキュラム、講師の質、評判などを確認しておくことです。