着物の着付け方は男女で異なる?違いを具体的に紹介

公開日:2024/10/07  

着付け 男女着物は、現代においては女性が着るものというイメージが強いかもしれません。しかし、歴史的には男女ともに着物・和服を着てきた背景があり、男性でも着付け方次第でおしゃれに着物を着こなせます。今回は、着付けの男女で異なるポイントにスポットを当てて、詳しく解説をしていきます。

着付けの男女で異なるポイント

着物の着付けには、男女でいくつかの重要な違いがあります。

帯の結び方・締める位置

まず、帯の結び方や締める位置が異なります。男性は腰付近で帯を締め、体を横から見たときに帯が前下がりになるのに対し、女性は胸と腰の間(ウエスト)で帯を締め、横から見たときには帯が水平になるように着付けます。また、帯の種類や太さも異なり、男性は主に「角帯」と「兵児帯」の2種類を使用し、幅は10〜11cm程度の細いものが一般的です。一方、女性の帯は丸帯、名古屋帯、袋帯、半幅帯などの多様な種類があり、幅は約30cmと広くなっています。

女性の着付けには衣紋を抜く作業が含まれる

さらに、女性の着付けには「衣紋を抜く」という作業が含まれます。これは、後ろ側の衿と首の間に隙間を作ることを指し、女性らしい印象を与えるために重要です。逆に、男性は衿と首を密着させて衣紋を抜かず、凛々しい印象を持たせます。

男性の着物にはおはしょりがない

男性の着物には「おはしょり」がなく、元々身丈が短く作られているため、腰の部分で着物をたくし上げる必要がありません。女性は着物の身丈より長く作られ、腰の部分でたくし上げて調整します。この際、たくし上げた部分が「おはしょり」と呼ばれ、帯の内側で固定されます。おはしょりは平安時代の着物のスタイルを反映しており、動きやすさを考慮した結果として生まれました。

小物の数も男女で異なる

着付けに必要な小物の数も男女で異なります。男性の場合、着物や帯、長襦袢、半襦袢、肌襦袢、腰ひも、足袋、草履などがあれば基本的に問題ありませんが、女性はこれに加えて衿芯、帯締め、帯揚げ、帯板、帯枕、伊達締め、タオル、髪飾りなど、さまざまな小物が必要です。これにより、女性の着付けは準備が複雑になります。

着崩れのしやすさ

着崩れやすさについても男女で差があります。男性の着物は着付けがシンプルなため、着崩れにくく、もし着崩れてもすぐに直すことができます。対照的に、女性の着付けは手順が複雑で、特に「身八つ口」や「おはしょり」を作る必要があるため注意が必要です。身八つ口は着物の脇にある開口部で、着崩れの原因となることが多いです。

袴の向きは男女ともに右前

着物の衿の向きについては、男女ともに「右前」に着ることが基本です。自分の体に対して右側の衿が下になるのが右前とされ、左前は故人に着せる死装束にのみ用いられます。このため、左前で着付けることは縁起が悪いとされます。左前はマナー違反となることもあるため、注意が必要です。また、肌襦袢や長襦袢も右前で着用するのが基本です。

着物の格も男女で違いがある

着物には、男女で異なる「格」があり、それぞれの場面にふさわしい装いが求められます。この「格」は、フォーマルなパーティーにタキシードを着ることに似ており、場面に応じた適切な着物の選択を指します。

女性の着物の「格」

女性の着物は、主に4種類に分類可能です。第一礼装(最礼装)は最も格の高い着物で、公的な儀式や結婚式、成人式などの重要な場面で着用されます。代表的なものには、花嫁の衣装である「白打掛(白無垢)」や成人式で着る「振袖」があげられます。

次に、準礼装(略式礼装)は第一礼装に次ぐ格で、幅広いシーンで着用可能な着物です。「訪問着」や「色留袖」など、絵羽模様が施されたものが一般的で、七五三や入学式などにも適しています。続いて外出着は、礼装ほどかしこまらない場面で着用される、汎用性の高い着物です。食事会や友人との集まりなど、カジュアルなシーンで重宝します。

最後に、普段着・浴衣・街着があります。最もカジュアルなカテゴリで、日常的な外出やリラックスしたシーンで着用される着物です。

男性の着物の「格」

男性の着物も4段階に格付けされますが、女性に比べて種類は少ないです。まず、男性の場合、第一礼装では袴と羽織を着用します。袴にはズボンのように分かれている「馬乗(うまのり)袴」と、スカートのような「行燈(あんどん)袴」があり、どちらも礼服として用いられます。

続いて、準礼装の際も袴と羽織を着用しますが、デザインや素材に工夫が施されることが多いです。次に、外出着についてです。外出着のスタイルでは、基本的に袴は着用せず、紋も付けないシンプルな装いが一般的になります。

最後に、普段着の際も袴を着用せず「着流し」と呼ばれる羽織を着ないスタイルが主流です。着流しは、よりカジュアルな印象を与えます。

まとめ

着物の着付けは、男女で明確な違いがあり、それぞれの特徴が美しさや格を引き立てています。男性は、帯を腰付近で締め、シンプルな着付けが特徴で、着崩れしにくいのが利点です。一方、女性はウエストで帯を締め、衣紋を抜くことで女性らしいシルエットを作ります。また、小物の数も女性が多く、準備が複雑になります。着物の格も男女で異なり、女性は第一礼装から普段着まで4種類に分類されるのに対し、男性は4段階の格付けながら種類が少ないのが特徴です。これらの違いを理解することで、着物の持つ文化や美しさをより深く楽しむことができます。

【東京】おすすめの着付け教室ランキングTOP5

イメージ1

2
3
4
5
会社名いち利いち瑠日本和装彩きもの学院長沼静きもの学院
無料体験の有無どのコースでもリーズナブルな価格でレッスンやお出かけ授業が受けられる教室「着物を楽しむ」ことに重点を置き、着物に関して幅広く学べるレッスン費用が無料!着物や帯の生産過程を知り、日本文化を奥深く学べる細かなポイントも丁寧に教えてくれる!美しく着るための技術が身に付けられる経験豊富で指導資格を持つ講師から、きものの歴史など幅広く学べる
詳細リンク

おすすめ関連記事

サイト内検索