着物の右前と左前、どっちで着ればいい?マナーや注意点についても解説

公開日:2024/03/15

着物マナー

着物は日本の伝統的な服装であり、その着こなしには独自のマナーやポイントがあります。基本的に、着物は右前で着るものです。この記事では、なぜ左前で着物を着ることは避けるべきなのか、そして、着物の正しい着こなし方を覚えるための方法などについて詳しく解説します。

左前で着物を着ることは「死装束」を意味する

着物の着方には厳格なマナーが存在し、そのなかでも左前で着物を着ることは特別な意味をもっています。これは、「死装束(しにしょうぞく)」として知られ、健在の人が左前で着物を着用することは縁起が悪いと考えられています。この習慣は日本の文化の一部であり、古代から受け継がれてきました。

左前で着物を着ることの由来

左前で着物を着ることが「死装束」と呼ばれるようになった由来について、歴史的背景を見てみましょう。古代の日本では、死者が左前で着物を纏うことが慣例でした。

そのため、生者が同じように左前で着物を着ることは、死者を冒瀆する行為とされました。この信仰が今日まで続き、左前で着物を着ることは忌み嫌われています。

左前で着物を着ることの例外

ただし、特別な場合においては左前で着物を着ることも許容されています。葬儀や仏教の儀式、あるいは舞台など特定の演出において、死装束として左前で着物を着ることはあります。しかし、一般的な日常生活で左前で着物を着ることは避けるべきです。

右前・左前を忘れないための覚え方

着物の着方には独自のマナーがあり、そのなかでも右前と左前を区別することは大切です。しかし、どちらが正しいのかを覚えるためには簡単な方法があります。それを以下で紹介しましょう。  

右前左前という言葉の覚え方

簡単な文字遊びで、右前と左前を覚えることができます。アルファベットの小文字の「y」の形を思い浮かべてみてください。相手方から見た着物の衿の形を、「y」のようにするためには、左衿を前にする必要があります。これが「左前」です。

そして、この逆が「右前」で、一般的な正しい着こなしかたです。この覚え方はわかりやすいので、着こなしをまちがえることもなくなることでしょう

柄を外側に

美しい柄が施されている着物はたくさんあります。柄を外側にすることで、着物をより華やかに見せることができます。衿合わせに迷った場合、着物の柄を見て、華やかな部分を外側にすることで、印象的な着こなしを楽しめます。

着物の衿合わせとマナーのポイント

着物の衿合わせやマナーに気を配ることは、正しい着こなしをするために重要です。ここでは、衿合わせやマナーに関するポイントを詳しく見ていきましょう。

着物を着るときに気をつけたいこと

着物を着るときには、いくつかの注意点があります。たとえば、スマートフォンでの自撮り写真を撮る際には、画像が自分で見たときと反転して見えること注意する必要があります。

インカメラやアプリで写真撮影をした場合、着物の柄や衿合わせが反転していると錯覚してしまうことが起こります。そのため、写真を撮る前には、この点を十分に認識しておいたほうがよいでしょう。

襦も浴衣も右前が適切

着物以外にも、襦(じゅばん)や浴衣(ゆかた)なども、右前が適切な前合わせとされています。肌襦や長襦も同様に、右前で着用します。浴衣も着物と同じく、右前が正しい着こなしかたです。日本の伝統的な服装を尊重するという意味で大切なことです。

着物の「背縫い」の重要性

着物を着るときに、背縫いが背中の真ん中に来るようにすることがとても重要です。正しい背縫いの位置を保って、背中側の生地きれいに整えることで、衿合わせからの。着物の着こなしが格段に美しくなります。しっかりと押さえておきましょう。

衿元のマナーを覚えておこう

着物の着方においては、衿元のマナーも大切なポイントです。シャツの第一ボタンを開けるか開けないかを決めるように、衿元のマナーにもルールがありますさまざまな場面に応じて衿元のマナーを守ることは、着物を着るときの礼儀として大切なことです。

結婚式などで着物を着用するときのマナー

フォーマルな場で着物を着るときには、基本的には衿元をほぼ直角に合わせることがよいとされています。これによって、清潔感ある印象を与えつつ、かしこまりすぎない雰囲気を演出できます。

結婚式などの特別な場で着物を着るときには、衿元のマナーをしっかりと守りましょう。

日常生活で着物を着用するときのマナー

日常生活で着物を着るときにも、衿元のマナーを守ることは重要です。とくに、年齢や体型に合わせた衿合わせを心がけましょう直角に近い形で衿元を合わせることで、綺麗に着こなすことができます。

衿合わせについての詳細な情報は、関連記事で詳しく解説されていますので、参考にしてください。

まとめ

着物の着方においては、右前と左前のちがいや衿元のマナーが重要です日本の伝統的な服装である着物を正しく着こなすために、これらのマナーのポイントに注意し、守ることが大切です。

とくに特別な場で着物を着るときには、マナーやポイントを遵守して、美しい着こなしを楽しみましょう。

着物の着こなしについて、右前と左前がわからなくなったときは本記事に戻ってきてマナーをおさらいしてくださいね。あなたのよりよい着物ライフの助けとなれば幸いです。

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