国家資格の着付け技能士とは?どうすれば取得できるのか

公開日:2022/03/15   最終更新日:2022/03/18


着付けにも国家資格があるということをしっていますか?着付け技能士という資格です。着物に関するさまざまな知識を問われ、人に着物を着せる技術を証明するための資格です。どんな人でも受験できるわけではなく着物にかかわる仕事をしている人が受験できる資格です。今回は、この着付け技能士についてまとめました。

着付け技能士は着付け技能検定に合格すれば取得できる

着付け技能士は、国家試験に合格した人だけが名乗れる名称独占資格です。着物にかかわる仕事をしている人は聞いたことのある資格なのではないでしょうか。この着付け技能士を名乗るためには、試験を受ける必要があります。

着付け技能士は、平成21年度に作られた比較的新しい資格です。試験についての内容など、細かい情報が少ないので合格者も数が少ないです。全国にどのぐらいいるかといった数字も明らかにはされていません。もし合格していない人が「着付け技能士」の名前をかたると、資格を偽ったとして罪に問われる可能性があります。それだけ、厳しい資格なのです。

着付け技能検定を受けるには受検資格が必要

着付け技能士検定には、受験資格が必要です。実務経験のみなら、一級を受験するためには5年以上、二級を受験するためには2年以上の経験が必要となります。この実務経験というのは、他装又は着付け指導の業務に携わった経験のことをいいます。自分で着付けている年数だけでは、受験ができません。実務経験の申告は本人の自己申告制です。

もし偽りの経験年数で受験し合格した場合は、合格を取り消されることもあります。その他にも専門学校や大学、短大で、着付け職種に関する学科又は訓練科(美容科、着付け科、和裁科、被服科等)を学んでいる人は受験をできます。

美容師業界の中でも着付け技能士は重宝される資格ですね。美容師で着付けを覚えている人は、民間で着付けの勉強をして資格を取っている人がほとんどです。着つけ技能士としての資格を持っている美容師さんは数が少ないので、着付けの経験がある人はステップアップに挑戦してみるとよいかもしれません。

着付け技能検定の試験内容

着付け技能士の試験内容には、以下のようなものがあります。学科を受ける日と実技を受ける日は異なります。

着つけ技能士二級学科

着付け技能士二級試験では、着物を普段着用している人ならある程度理解がある着物の格やたたみ方、作法や心得をメインに出題されるようです。実技経験が2年以上と比較的着物に携わっている人なら受験がしやすいといえます。

二級は60点以上で合格できるので、受験人数の8割ほどの合格率だそうです。着物教室によっては、試験対策で着付けを教えているところもあり「全員合格しました」などの報告があるところもあります。

・実技試験内容
実技試験の内容は他装で、人に着付けるための技術をみます。この時必要なのは仕上がりをキレイに着つけられることではなく、手順です。試験に合格するための手順なので、細かいところを試験官はみています。たとえば、帯を仕上げる途中の工程でたれ帯を床につけないなど。所作として美しく見えることが重要です。国家資格なので、合格できれば着付けを仕事とする人にとってお客様からの信頼度は格段に上がります。

・試験内容
次に掲げる着物について定められた時間内で着付けができること。

・浴衣・街着・付下げ
・訪問着・付下げ訪問着

着つけ技能士一級学科

一級では、二級試験よりも着物に関しての深い知識が求められるようです。着付け技能士検定では、必ずしも二級に合格している人が一級を受験するわけではありません。着付けの経験年数が長いためいきなり一級に挑戦する人が多いです。着付けを日常生活の一部としている人にとっては当たり前の知識を問われます。問題文の中には着物に関する用語がずらり。着物を一から勉強する人にとっては覚える単語の量が多いので、集中して勉強できる環境を見つけてくださいね。

・実技試験内容
学科試験よりも実技試験での合格が非常に難しく、合格点は70点で、減点方式をとっています。合格が難しいといわれているのは、どの部分で減点されているのかは正確にはわからないのではっきりと自分の失敗がわからないところではないでしょうか?おはしょりの長さや帯のたれの長さなどが細かく指定されています。その長さが少しでも違うと減点対象になるのではないかといわれています。

またその場で着付けて終わりではなく、モデルさんたちには実際に動き回ってもらい着崩れの具合なども確認します。いろいろな体型のモデルさんがいるので、安易にゆるめにしないほうがよいでしょう。着付け技能士検定の公式の参考書というのは、ありません。着物を普段から使っている人には簡単かもしれない問題が出やすいそうです。

まったく着物に携わっていない人にとっては大変な試験ですね。合格のためには、過去問を徹底的に見直して問題の傾向をつかみながら着物に関しての知識を自分の頭で理解できるようになるまで調べていくとよいです。幅広く知識を得ておくことで柔軟に試験に対応できます。

意外にも気を付けたい着付けの道具

学科を合格した後に受ける実技試験。この実技を受験する人は、持ち物に注意してください。会場に入り試験を受ける前に持ち物で失格となる場合があります。

・伊達衿が2色(正しくは1色、柄入りは不可・地紋入りは可)
・半衿が刺繍入り(正しくは白無地)
・振袖が付下げ模様(正しくは絵羽模様)
・最初にモデルさんに羽織ってもらっていたのがトレンチコート(正しくは浴衣かガウン)
・風呂敷代わりに白い不織布?

着付けをする上で普段なら気にならないようなことばかりです。試験の時は、どこで減点されるかわからないのが、合格が難しいといわれている一因かもしれません。注意事項や持ち物はしっかり確認してくださいね。

 

今回は着付け技能士についてまとめました。着物を仕事にしている人は、どうしても自分だけのやり方になりがちです。こうした試験を受けることで、着付けの方法を見直したり自分の知識を増やしたりできますね。着物はさまざまな知識が必要となってくるので、こうした試験は自分を高める意味でも大切です。着付け技能士は、名称独占できる国家資格なのでその後の仕事の幅も広がり活躍の場所が増えていくでしょう。着物にかかわる仕事をしている人は、ぜひチャレンジしてみてください。

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